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H22年7月26日 長野県/御嶽山3067m

夜明けこのひと時が何とも言えず良い。
 御嶽山には御来光を見たくてほぼ毎年登ってます、今年は単独で趣向を替えて黒沢口から登る。思えば約40年前にはこのコースを登ったのですが記憶がとんと無い。記憶に残ってるのは、「T内さんと夜行列車で木曽福島へ着いた。眠気眼で沢山の人々・御嶽講の方や登山者に付いてバスに乗り込む、着いた所が黒沢口。懐中電気を下げてヒーヒと坂を歩いて、何処かの小屋の中で出された熱いお茶を飲んだ、凍える寒さがお茶で温まった事を覚えてる、雨だったのかな?」
 で今回お茶の出た小屋は何処だったのか判ればいいなと云う気持ちと、田の原からの王滝道は人が多くて下山するのに閉口するから。
 
 予想通りで平日の黒沢口は駐車場には車が3台しか駐車しておらず、バス亭・売店が有るが灯りも人気もない。怖がりなのでちょいと不気味なのです。月は満月に近い月齢ですが雲が広がり出たり隠れたり、ビールを飲んでシュラフに入る。
 2時に起床、寝不足と消化不良で気持ちが悪いが靴をはき準備して出発。鈴の鳴る音しかしない、シラビソの森は背が高く辺りは真っ暗、ヘッドライトの光を便りに歩く。道は古錆びて朽ちかけた木の階段状です。道の周りは笹の下狩りはしてある、木も土の部分も俄雨が有ったようで幾分濡れている。帰路には木道で滑るからゆっくり下りなければと思う。それと田の原道と違い前後に人は誰も歩いていない。たまに廃屋じみた閉ざされた小屋脇を通る。月が雲の上でぼんやり・明るい雲が反射光を投げかけ森の切れ間の笹を照らす。
 七合目小屋、明りが灯って人気の有るのが有りがたい、入口も売店らしき所も戸を立ててまだ誰も外へ出た気配は無い。露か前夜の雨かに濡れたベンチで一休み、アンパンを食べて人心地付く。
 七合目から八合目へ上がるに連れ樹木の背は低くなる。東の空が次第に明るくなってきた、低い雲が多く上手く陽が出るだろうかと思いつつ歩く。森が低くなり何処かで小鳥の囀りも聞こえる。前から自分と違う高い鈴の音がする、白装束の1人がゆっくり登っていく。追い抜いたら直に八合目女人堂でした明りが付いて朝の用意中かな。再び休みを取り今度はジャムパンを食べる。御来光はもう近いのでもう少し上まで歩く。
 岩にに座り込むといくらも待たず空が真っ赤に染まり御来光のドラマを一人楽しむ。赤く染まる空を眺めるこのひと時が何とも云えず良い。
 蓼科山の左に陽が昇るが左方の山は何処だったか?
 帰宅後調べると浅間山しか見当たらない。
H22年7月26日の御来光、浅間山と蓼科山の中間。
御来光と八合目女人堂、左は乗鞍岳。
 御来光が終われば柔らかな光に包まれて景色は優しくなる。兎に角山頂まで登らないと話にならないので、八合目から九合目を目指して登って行くと石室山荘と書いた小屋が、そそり建つように見える斜面は急なのだ。春季山スキー時に覚明堂から石室山荘の下斜面が雪で覆われると急峻で登りも下りも気が抜けない個所だろう。
 「スキーで下るイメージで御岳スキー場・飯森高原駅の屋根を見る、途中までは視界が良ければ滑り易そうだが、樹林帯はトレースが消えたらヤバそうな気がする。」心の中で思う。
御嶽山剣ヶ峰より富士山を展望する。
 登山者がボチボチ下って来て二の池方面へ、山頂付近の小屋泊の人の様です。王滝頂上から八丁弛みへ掛けて登山者が登り下りしてるのが良く見える。後少し登るだけですからペースを守り手堅く歩く小石混じりのまあ歩き易い。山頂剣ヶ峰の本宮へまず参拝、小銭が無いので賽銭は次回に。
剣ヶ峰より乗鞍岳、穂高は雲の中。  剣ヶ峰より乗鞍岳・北アルプス方面を展望、笠ヶ岳は雲から出てるが穂高・槍は雲の中です。 
 他の方が秋みたいだなと云われてた、山頂部は風が強く吹き小寒い、皆さん直に下って行きます。写真を撮ってから方位版の陰に隠れて、ノートに富士山他の山波を写す。
 あれは甲斐駒~富士山の右が塩見~赤石・聖・上河内ズッート下がり双二蜂の加加森山(2418.9m)かね。
手前は宝剣~檜尾・熊沢~空木~南駒。とてに取るように懐かしい山波。ぼんやりしてると地と空の境が丸く思える、やはり地球は丸い。
 吐く息が少し白く見えるので気温は10度ないのかも、しかし暑くなる前に下山しよう。
二の池と残雪。 シナノオトギリ。
 前を歩く4人連れの女性陣が「宝剣は何処?妙高見える?」エッ妙高はいくなんでも見えんわな、でも無用の事とて口だしをせずに唇を結んで二タリと先へ歩く。
 覚明堂を過ぎ石室山荘で登りの時八合目で有った白装束さんに出会う。「凄い早いですね・健脚ですね」と云われる。各所のお参りも有るので遅れるのかな?貴方が遅いんだよとも言えず挨拶だけして下り続ける。下るに連れ気温も上昇する。
 八合目で暑いから2枚着てた上シャツを一枚に脱ぐ。

 八合目の小屋では布団をにいちゃん達が干している。
 残りのアンパンを食べて、売店のガラスを覗くと珍しいイワギキョウのピンバッチが有るのでつい買ってしまう。

 あわてずに下山していくと、ボチボチと1人ずつ登って来た。平日なので登山者は少ない様だ、それとまだロープウエーが動いていないのだろう。

八合目で休んでる内に雲が立ち上り視界を隠す。
八合目付近にはイワギキョウが沢山咲いていた。
 下山道は森となり周りの木々しか目に入らなくなる、般若心経が聞こえたら7合目の小屋でした講の方が沢山見える。行き休んだ小屋前のベンチで休む、立て戸が上げられ中が良く見える。入口と出口が一直線で記憶の中の小屋です。夜は通路側の立て戸が降ろしてあって小屋内は見えなかった。昔、ゴザの引いてある間へは座らず土間で立ったままお茶を飲んだ、その横を登山者が飲んでいる人を避けて八合目側の出口へ向かったのです。
 もう一度小屋の看板を確認する「覚明行者小屋」でした。
 下山してきたら売店も開いていて、おじさんとおばさんが掃除の最中でした。おじさんと少し話をする。前と比べると寂れましたねと云うと「土日は大変だったここは満車だったけど平日はガラガラだわ」。広い駐車場に都合7台の車が駐車してた。途中の小屋も締めてるとこばかりですね、「そうだわな中の湯さんも閉めたし、まだやってる七合目の小屋がいいだよ」。とのことでした。バスが来たが乗客は誰も乗っていない。
カラマツソウ。 寂れた中の湯の建物。
コースタイム:御嶽山黒沢口6合目駐車場2:30~3:25七合目覚明行者小屋3:35~4:30八合目女人堂4:35~4:50御来光~5:48九合目石室山荘~5:58覚明堂6:03~6:26剣ヶ峰6:45~8:10女人堂8:20~8:50行者小屋9:00~9:45駐車場   歩行数14100歩。

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