エヴェレスト・カラパール/高山病について

カラパタールからのエベレスト
1、高山病について、私は1996年に、キリマンジャロ(ウフルピーク・5896m)へ登頂している。一応の高度経験が有るのだが、カラパタール付近5,500Mまで登るのは辛かった。足が重く、日本の山の様に早足で頂上へ向かうと、こめかみの周りを締めつけるような頭痛がする。(孫悟空の鉄の輪が締まるのをイメージ)立ち止まり深呼吸・歩く・深呼吸・歩くの繰り返しで痛みは止まった。自分の体調は悪くも無く普通の状態で有った。自分で俯いて靴紐を締める動作でも、大変息切れする。日本では靴紐が締められないなんてことは無い。

2、他の人を観察するに、相当の山のベテランと見える人も、ネパール2回目の方も参加されている。しかしナムチェ以降、ダイモックス(日本では緑内症の薬)を服用、日を重ね高度が増すと共にべ食られなくなる様子。高山病の初期・食欲減退・吐き気の症状出ている。無理して食べると戻す傾向にある、脳に血液を送らんが為始めに胃をやられている(メンバーの奥様達)。嘔吐、頭痛、意欲減退、下痢などは中期症状に進んでいく様子である。

3自分では充分睡眠を採ったつもりが、高地になるばなるほど疲れは取れず、体力はどんどん落ちていく。カラパタール・アタック日には、自分も含めてほとんどの人が大変辛そうな歩き方だった。

4. 日本人のツアーガイドが付いての登山なので高度も無理に上げないし、ナムチェとデンボチェで   高度順応日を設けて有り、日程的には1日5時間程の歩行で楽に組んである。只カラパタールの登頂日はややキツイ。ツアーの予定表では5140mのゴラクシェブへ宿泊して翌日カラパタールだが、ロブチェ 4910mへ宿泊して当日高度差635mを往復する。最終日はペースは上らず頭が痛くなれば深呼吸を3度程して酸素を肺に取り入れる。歩く最中は深呼吸ばかりしていた記憶です。カメラを構えてシャータを押す時は無呼吸になり後、非常に息切れする。もう深呼吸ばかりです吐いて吐いて吸う。
アマダムラムとサーダー

対策としては

アマダムラム
自分が取った対策・感想等。
 1、水分を沢山採りオシッコをどんどんする。日本とは違い、海外の高地では充分過ぎる水分を採る必要があります。
 好みで羊羹・ういろう、飴・チョコレート等甘い物とか、カロリーの取り易い出来るだけ消化に良い物を余力の有る内に採る。紅茶にはタップリ砂糖を入れる。
 揚げ物等高カロリーで胃に負担を与えないもの。
 それと夜眠れなくなります、羽毛服等で暖かくしてゆっくり休む。着ている服をベルト、ボタンを緩くして体をリラックスさせる。

 2、息を吸っても肺に空気が入ってこない感じがする。大きく手を広げて深呼吸をするのが良い。歩いている時でも、大きく息をして酸素を意識して採り入れる。
 睡眠中寝返りを打ち横になると肺が狭まり空気が入らないので息苦しくて目覚める。 宿泊地がロッジでもし2段ベットなら下段の方が遥かに身体には楽ですが、上の段へはい上がるだけで息切れがしてしまう。

 3、中期症状になると。嘔吐、脈泊の異常(通常の3倍)、頭痛(頭に孫吾空の鉄の輪をはめられたような痛み)、意欲の減退(何もしたくなくなる・端から見ると何も出来なくなる)一例として登山靴も自分で締める・脱ぐのが億劫な状態(自分で出来ない)が続く頃には、どうも高山病(中期症状)にかかったことを示している。こんな時は、500m高度を下げるか一度下山する、命に関わるので歩けなくなる前に。

 4、平地では、何でもないことが出来なくなり、普通の判断・決断も出来なくなる。その場に留まることは高山病の症状を悪化させる一方です。
 そこに停滞して回復を待つことは、過去の死亡例からして大変危険なことです。ツアー等ではツアーリーダーがヘリをカトマンズから呼んで強制的に下すことをしている。 トレキング中に同一会社の日程がずれた別ツアーのメンバーが高山病でツアーリーダーと共にヘリでカトマンズへ降りたそうです、ツアーリーダは付き添いです。
 ベテランでも体調次第で危険な状態になる。自分の体調は自分で管理する強い意識を通常時から持つ。

 5、重症。自分ではもう判断等出来なくなっている、肺水腫(多量の泡、血痰まじりの咳)、脳浮腫(千鳥足、異常な言動、失禁)眼底出血(視野が狭くなる視野の中に黒点が出る)そうなると夜中でも担いで直に下山する必要が有る。死亡につながる緊急事態である。
 緊急事態でヘリコプターを要請し早急にカトマンズへ降りた時。至急病院へ向かうが軽度の症状の人は、着く頃には本人は回復している場合も有るそうな。病院へ行かずに歩いてホテルへ戻れる、しかし必ず医師の診断を受ける必要が有ります、必ず診断書を貰って置くこと。診断書がないと後でヘリコプター代金が保険から下りない等トラブルに見舞われる。
 最後に高度を一度でも体験しておくと初めての人とは違うようです。キリマンジャロの前年及びカラパタールの前年に富士山(3776m)の日帰り登山を経験している。
 最近はアミュ〇〇社に高度順応が出来るシェルターが有った、高度を少しずつ上げて4回とか6回とか経験してトレーニングで4500m級に高度を体験できたが、最近潰れてしまいなくなったのは残念です。

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